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コラム

急増の一方で廃園も多い新規参入
保育サービス事業への新規参入は急増しているものの、その一方で、既存の保育所、主に認可外保育所の廃園も多くあるのです。その実態を見てみましょう。

認可外保育所の廃園状況
厚生労働省が二〇一七年三月に発表した「平成二七年度認可外保育施設の現況取りまとめ」によると、二〇一五年の認可外保育所の廃園件数は全国で四八一か所となっています。つまり全体の九名は廃園している。ということです。しかし、一方で新設園は四五六か所で、新制度がスタートしてからは、新設よりも廃園数が上回る結果になっています。加えて、認可の施設・事業への移行件数が九四四施設と非常に多くなっており、認可外保育所は二〇一五年度から二〇一六年にかけて全体で九四五施設も減少。現実的に認可外保育所のM&A案件も増えていると言われており、しかも新規開園して一年足らずで廃園するケースも少なくないと言われています。
なぜ廃園に追い込まれるのか 。廃園の理由は明確に調査データとして公表はされていませんが、これまで実際の事業者から聞いた話を総括すると、最も多いのは「経営が成り立たなかったから」、「採算が合わなかったから」という声です。前述した通り、認可外保育所は保育料収入だけで売上が構成されているため、園児が集まらなければ当然事業は成立しません。認可保育所に比べると保育料が高額な認可外保育所は、園児を集めるのも一苦労なのです。
経営とは「お客様への価值提供による継続の追求」です。賃値を高めるために何をすべきなのか、どんな工夫が必要なのかをしっかりと見極めた上での参入が必要になります。

事前リサーチの重要性
短期での魔園が多い理由の一つとして、事前リサーチ不足という点が挙げられます。勢いに任せて参入する行動力も一見重要のようですが、それよりも事前リサーチに尽力すべきです。
事前リサーチは保育サービス経営という観点で理論を学ぶことも重要ですが、最も重要なのは実際に参入している企業に足を運ぶことです。実際に運営している人たちから実態をヒアリングして参入における課題や問題を抽出するのです。そして、自身の描く構想と現実とのギャップを整理し、それを解決するために何が必要なのかを把握しましょう。
そこから参入の検討をすることが大切です。急な廃園で最も被害を受けるのは保護者であり、子どもたち出です。その責任が事業者にはあるのです。